
概要
Microsoftが、業務向けAI「Microsoft 365 Copilot」の機能拡充を進めている。
2026年10月には、利用者が業務内容に合わせて独自の指示や作業手順を設定できる「カスタムスキル」機能が注目されている。報告されている展開予定では、10月から提供を開始し、11月中旬までに段階的な導入を完了するという。
カスタムスキルは、特定の業務に必要な指示をあらかじめ設定し、繰り返し利用できるようにする仕組みだ。Microsoftの公式リリースノートでも、PowerPoint向けのカスタムスキルが紹介されている。
例えば、社内の報告書作成や資料整理など、決まった手順を必要とする作業を効率化することが期待される。
一方、こうしたAI技術の進歩とは対照的に、SNSでは企業のAIチャットボットに対する不満も話題となっている。
特に問題視されているのが、問い合わせ内容を正しく理解できず、同じ回答を繰り返したり、会話の途中でそれまでの説明を引き継げなくなったりするケースだ。
利用者が複雑な事情を説明しても、AIが用意された回答を繰り返すだけでは問題は解決しない。さらに、人間の担当者へ引き継がれた際にも、最初から事情を説明し直さなければならないことがある。
こうした問題は実際の研究でも指摘されている。
2026年4月、米カリフォルニア大学バークレー校の経営専門誌「California Management Review」は、チャットボットによる顧客対応のコスト削減効果と、利用者の不満が企業にもたらす影響を取り上げた。
また、同年5月に発表された中国アリババ傘下の通販サービス「淘宝(タオバオ)」を対象とする実証研究では、AIの導入によって平均対応時間が短縮された一方、AIが対応したチャットの顧客評価が低下する結果も報告されている。
AIは定型的な質問への回答や大量の問い合わせ処理に適しているが、複雑な事情の把握や例外的な対応では、人間による判断や介入が重要になることが示されている。
企業にとってAIの導入は、人件費の削減や業務効率化につながる可能性がある。しかし、問い合わせ対応の効率だけを優先し、顧客の問題が解決されなければ、サービスへの信頼を損なうおそれもある。
AIが進化するほど、相手の言葉の背景を読み取り、事情に応じて柔軟に対応できる人間のオペレーターの価値も改めて問われている。
今後はAIが人間の仕事をどこまで代替できるかだけでなく、AIと人間がどのように役割を分担し、利用者の問題を確実に解決できるかが重要になりそうだ。
編集部[26/10/12]
Xより
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