
概要
埼玉県本庄市の「本庄児玉聖地霊園」で、パキスタン人らによる無許可の土葬が行われていたとする問題が報じられ、注目を集めている。
報道によると、群馬県伊勢崎市のモスク関係者を名乗る人物らが、霊園管理者の承諾を得ず、指定された区画以外の場所に遺体を埋葬したとされる。
無断で埋葬された遺体は14体以上に上るとの報道もあるが、正確な埋葬数や関係者の身元について、警察による正式な捜査結果が公表されたことまでは確認できていない。
霊園管理者は、警察立ち会いのもとで関係者から200万円を支払う旨の念書を取ったと説明。しかし、支払いは行われず、関係者とは連絡が取れなくなっているという。
無許可で埋葬されたとされる遺体も、そのまま残されていると報じられている。
■ 2019年からイスラム教徒の土葬を受け入れ
本庄児玉聖地霊園は、1978年に墓地経営の許可を受けた民間霊園で、2019年からイスラム教徒向けの土葬を受け入れてきた。
イスラム教では一般的に火葬を避け、遺体を土に埋葬することが重視されている。
一方、日本では火葬が圧倒的多数を占め、土葬に対応できる墓地は限られている。このため、同霊園には関東地方だけでなく、遠方から遺体が搬送されることもある。
今回問題となっているのは土葬そのものではなく、墓地管理者の承諾を得ず、指定外の場所に埋葬したとされる行為である。
■ 本庄市は水質調査を実施、異常は確認されず
本庄市には以前から、土葬による土壌汚染や水質汚染、不適切な埋葬を心配する声が寄せられていた。
市は2025年4月28日付の公式回答で、霊園近くのため池について毎年水質調査を実施し、異常がないことを確認していると説明した。
また、関係機関と定期的に現地を巡回し、墓地が適切に管理されていない場合には管理者への指導を行う方針を示している。
2025年10月17日付の回答では、報道された無許可埋葬は法律に反する行為であり、違反が確認された場合は警察などに情報提供する方針を明らかにした。
■ 全国でも土葬墓地をめぐる問題が発生
大分県日出町では、イスラム教徒向けの土葬墓地を整備する計画が進められていたが、周辺住民から地下水への影響や生活環境に関する懸念が示され、計画が難航した。
その後、町有地を利用する計画は実現に至らず、土葬墓地の確保をめぐる議論が続いている。
また、宮城県でもイスラム教徒向け土葬墓地の整備計画が、住民の反対などを背景に白紙撤回されたと報じられている。
ただし、これらは墓地の新設や整備をめぐる問題であり、本庄市で報じられた無許可埋葬とは性質が異なる。
■ 日本では土葬自体は禁止されていない
日本の「墓地、埋葬等に関する法律」は、土葬を一律に禁止しているわけではない。
ただし、遺体の埋葬は許可された墓地で行う必要があり、埋葬許可証などの法定手続きも求められる。墓地管理者の承諾や自治体の条例なども関係する。
宗教上の理由で土葬を希望する場合でも、国内の法令や墓地の管理規則に従わなければならない。
今回の問題は、2019年頃からの埋葬をめぐる経緯が2025年にも報じられ、2026年10月にSNSで再び注目されたものだ。
国内で土葬できる場所が限られる一方、地域住民の生活環境への配慮や墓地の適正な管理も求められている。
土葬をめぐる宗教上の事情と、法律に基づく墓地管理の問題は区別して考える必要がある。
編集部[26/10/17]
Xより
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