【話題】「来た時期が違うだけ」三重県知事の発言が波紋 数千年かけて築いた日本の歴史や文化を軽視しているとの批判も 外国人との共生をめぐり議論[26/11]

概要

外国人との共生をめぐる三重県知事の発言が、SNSで議論を呼んでいる。

注目されているのは、三重県の一見勝之知事が県議会で述べた「最近来たのか、何千年か前に来たのかこの違いだけです」という発言だ。

知事は、日本人の祖先もかつて海を渡って日本列島にやってきたことを挙げ、人類としての共通性や相互理解の大切さを訴えた。

しかし、SNSでは「数千年という時間の違いこそ重要ではないか」「日本人が長い年月をかけて築いてきた文化や社会秩序を軽視している」といった批判が広がっている。

また、愛知県ではベトナム国籍の男性がシカの密猟やイノシシの無許可食肉処理の疑いで逮捕される事件も発生。外国人との共生を進めるうえで、日本の法律や生活習慣をどのように共有していくべきか、改めて議論になっている。

三重県知事は何を発言したのか

問題となった発言は、2026年9月24日の三重県議会で、参政党の難波聖子県議による一般質問に答えたものだ。

難波県議は、外国人住民の増加を背景に、日本の伝統文化や生活習慣、地域のルールをどのように守っていくのかを質問した。

これに対し、一見知事は、日本文化も古くから大陸の文化を取り入れながら形成されてきたことを説明。そのうえで、次のように発言した。

「我々自身何千年か前にこのちっぽけな島国に海を越えてやってきた人たちの子孫であります。最近来たのか、何千年か前に来たのかこの違いだけです。同じ人類であります」

知事は、同じ人類である以上、互いに理解し合い、協力して生活できるはずだという考えを示した。

また、日本の法律や生活ルールを外国人にも守ってもらう必要性を認め、日本語教育の充実などにも言及している。

発言の趣旨は、外国人との共生を進めるために相互理解が重要だというものだった。

しかし、特に「来た時期が違うだけ」という表現が、議論の焦点となった。

「数千年の違いだけ」では済まされないという批判

今回の発言に対する批判の中心にあるのは、祖先のルーツが共通していることと、現在の文化や社会規範が同じであることは別だという考え方だ。

日本列島には古くからさまざまな地域の人々が渡来し、長い時間をかけて社会を形成してきた。

その過程では、大陸から漢字や仏教などが伝わり、日本独自の形に変化しながら文化として定着している。

また、法律だけでなく、地域での共同生活や公共の場での振る舞いなど、人々が社会生活を送るうえで共有する慣習も形成されてきた。

こうした歴史を踏まえれば、数千年前に日本列島へ渡ってきた人々と、現在、異なる文化や生活習慣を持って日本で暮らし始める外国人を、単純に同じものとして扱うことには疑問が残るという意見もある。

人類として平等であることと、異なる社会で育まれた文化や価値観まで同一であることは、必ずしも意味が同じではない。

知事自身が日本文化と外国文化を同一視すると明言したわけではないものの、発言が長い歴史の中で形成された文化の違いを軽視しているように受け取られたことが、批判につながっていると考えられる。

愛知県ではベトナム国籍の男性を密猟容疑で逮捕

こうした外国人との共生をめぐる議論の中で、動物の違法捕獲に関する事件も注目を集めている。

2026年10月、愛知県春日井市でベトナム国籍のファン・ヴァン・ダオ容疑者(28)が、食品衛生法違反の疑いで再逮捕された。

容疑者は、7月15日ごろ、狩猟期間外に規定を超える大きさのくくりわなを設置し、ニホンジカを違法に捕獲した疑いで、すでに9月に逮捕されていた。

事件発覚のきっかけは、山林で発見されたシカの切断された頭部だった。

さらに警察は、容疑者が仲間と共謀し、2025年8月と2026年3月ごろ、保健所の許可を受けずにイノシシ2頭を解体し、食肉処理業を営んだ疑いがあるとして再逮捕した。

容疑者は、食肉として販売したことは認める一方、許可が必要とは知らなかったとして容疑を否認している。

東海テレビやテレビ朝日などが事件を報じており、周辺住民からは、違法なわなが子どもなどの事故につながる危険性を心配する声も出ている。

また、許可を受けていない施設で処理された野生鳥獣の肉には、食品衛生上の問題もある。

厚生労働省は、シカやイノシシの肉について、E型肝炎ウイルスや腸管出血性大腸菌、寄生虫などによる食中毒の危険性を指摘している。

野生鳥獣の捕獲や食肉処理は、日本では法律に基づく規制の対象となっており、違反があれば国籍に関係なく対応が求められる。

SNSでは犬猫などの違法捕獲を訴える投稿も

動物保護活動を行う高沢守氏はXで、日本各地で犬や猫、シカなどが違法に捕獲され、食肉として販売されているとの情報を発信している。

高沢氏によると、茨城県、千葉県、大阪府、愛知県、奈良県などで、一部のベトナム人グループが関与しているという情報が寄せられているという。

また、Facebookのベトナム人コミュニティで肉の取引が行われているとする情報も紹介している。

高沢氏は、情報提供者の中には日本で真面目に生活するベトナム人も多数おり、違法行為を止めたいと願っている人々がいることを強調。複数の警察署に情報を提供したことも明らかにした。

ただし、全国各地で犬猫の違法捕獲・販売が行われているという疑惑については、現時点で捜査機関による確認や、主要報道機関による十分な裏付けが得られていない。

愛知県の逮捕事件とは区別する必要がある。

また、違法な密猟や動物の窃盗をベトナム文化そのものと結びつけることもできない。

一方で、こうした事件や疑惑をきっかけに、外国人の受け入れに伴う法令周知や地域の安全確保について、議論が活発になっている。

SNSの反応 文化の尊重と社会秩序をめぐり意見が分かれる

Xでは、一見知事の発言を紹介した投稿が10月29日ごろから拡散され、批判的な意見が相次いだ。

特に多いのは、「長い年月をかけて築かれた日本の歴史や文化を、単なる時間の違いとして扱うことへの違和感」だ。

実際に「日本人の歴史を否定しているに近い」と指摘する投稿や、外国人との共生のために日本の社会秩序をどこまで変更する必要があるのか、知事に説明を求める投稿が確認できる。

また、愛知県の密猟事件をめぐっては、違法捕獲の取り締まり強化や、地域住民への情報提供、無許可で流通する食肉への対策を求める声が見られる。

一方、高沢氏は、犯罪行為を行う一部の人物への批判が外国人全体への憎悪に向かうことにも警鐘を鳴らしている。

日本で暮らすベトナム人自身が違法行為について情報提供しているという点も、国籍だけで一括りにできないことを示している。

SNS上の反応は批判的な投稿が目立つものの、確認できた投稿だけで世論全体の傾向を判断することはできない。

外国人労働者は過去最多 受け入れと地域社会の課題

厚生労働省によると、2025年10月末時点の外国人労働者数は257万1,037人で、過去最多となった。

国籍別ではベトナムが最も多く、60万5,906人。外国人労働者全体の23.6%を占めている。

人口減少と人手不足が進む日本では、外国人労働者が製造業や建設業、農業、介護など幅広い分野を支える存在になっている。

しかし、外国人が増えるということは、それぞれ異なる言語や文化、生活習慣を持つ人々が、同じ地域で暮らす機会も増えるということだ。

受け入れを進めるのであれば、外国人への生活支援や日本語教育だけでなく、日本の法律や地域のルールを十分に説明し、違反行為があった際に適切に対処する仕組みも必要になる。

異なる文化を尊重することと、日本社会のルールを守ることは、対立するものではない。

共生とは、文化の違いをなくすことなのか

今回の議論は、知事の一つの発言と、別の地域で発生した密猟事件という、直接関係のない二つの話題から広がっている。

しかし、その根底には共通する問いがある。

それは、長い歴史の中で形成されてきた日本の文化や社会規範を、外国人との共生の中でどのように位置づけるのかという問題だ。

一見知事が訴えた、人類としての共通性や相互理解の重要性は、共生社会を考えるうえで大切な視点の一つだろう。

一方、祖先のルーツが共通していることだけで、現在の文化や生活習慣の違いまで解消されるわけではない。

外国人の文化を尊重しながら、日本の法律や地域社会のルールも共有する。そのためには、外国人自身の理解と努力に加え、行政や雇用主による教育・支援、違法行為への適切な対応が必要になる。

共生を進めることと、日本の文化や社会秩序を守ることを、どのように両立させるのか。

今回の知事発言をめぐる議論は、外国人労働者の受け入れが進む日本社会に、改めてその課題を投げかけている。


参照資料・報道

  1. 三重県議会公式映像(2026年9月24日・難波聖子議員一般質問)
    https://www.pref.mie.lg.jp/MOVIE/glive102373.htm
  2. ハムスター速報(2026年10月30日・一見知事の発言とSNS反応)
    https://hamusoku.com/archives/11052490.html
  3. FNNプライムオンライン・東海テレビ(2026年10月15日・愛知県春日井市のシカ密猟事件)
    https://www.fnn.jp/articles/-/1133076
  4. テレビ朝日(2026年10月15日・シカの密猟とイノシシの食肉処理事件)
    https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/900201942.html
  5. Locipo・CBCテレビ(2026年10月14日・違法ジビエ事件)
    https://locipo.jp/article/a6db9cfd-1a34-46b4-9bae-00d4134d28b7
  6. 高沢守氏 Xアカウント(動物の違法捕獲に関する告発・情報提供)
    https://x.com/MamoruTakazawa
  7. 厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(2025年10月末時点)
    https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68794.html
  8. 厚生労働省・ジビエ(野生鳥獣の肉)の衛生管理
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/01_00021.html
  9. 環境省・狩猟制度の概要
    https://www.env.go.jp/nature/choju/hunt/hunt2.html

編集部[26/11/2]

Xより

引用元:https://x.com/i/trending/2116006704844591434?s=20

最新の記事

みんなのコメント

コメント

コメントする