【経営・管理ビザ厳格化】外国人の出国約4倍、新規入国8割減[26/10]

概要

2026年10月16日、出入国在留管理庁が公表した統計で、日本で会社を経営する外国人向けの在留資格「経営・管理」の新規入国者が大幅に減少していることが明らかになった。

2026年1月から6月までの新規入国者は635人。前年同期の3,329人から80.9%減少し、約5分の1となった。

一方、再入国の手続きをせず日本を出国した同資格の外国人は953人で、前年同期の246人から約3.9倍に増加した。

背景には、2025年10月16日に施行された経営・管理ビザの取得要件の厳格化があるとみられている。

ただし、出国した953人が全員、制度改正を理由に帰国したわけではない。また、強制送還された人数を示すものでもない。

■ 経営・管理ビザとは?

経営・管理ビザは、外国人が日本国内で会社を設立し、事業を経営したり、企業の管理業務に従事したりするための在留資格である。

飲食店、貿易会社、不動産会社、IT企業など、幅広い事業が対象となる。

しかし、近年は実際に事業を行わないペーパーカンパニーを設立し、日本への移住や在留資格取得を目的に制度を利用する事例が問題視されてきた。

法務省も、事業の実態が確認できない事案があったことを認めている。

こうした制度の悪用を防止するため、政府は2025年10月に許可基準を大幅に見直した。

■ 従来と何が変わったのか?

今回の改正で最も大きな変更は、必要な事業資金と雇用要件である。

【2025年10月15日まで】

・資本金500万円以上、または常勤職員2人以上の雇用

・資本金500万円以上の条件を満たせば、従業員がいない会社でも申請可能

・経営者本人の日本語能力に一律の基準なし

・事業を経営する申請者には、原則として経営経験や学位の要件なし

【2025年10月16日以降】

・資本金または出資総額など3,000万円以上の事業規模が必要

・原則として日本人や永住者など、所定の在留資格を持つ常勤職員1人以上の雇用が必要

・経営者または常勤職員のいずれかに、日本語能力試験N2程度以上に相当する日本語能力が必要

・申請者に3年以上の経営・管理経験、または関連分野の修士相当以上の学位などが必要

・事業計画について、経営の専門家による確認が必要

従来は資本金500万円と常勤職員2人のどちらか一方を満たせばよかったが、新制度では原則として資金と雇用の両方が必要になった。

必要な資本金額は6倍に引き上げられ、実際に事業を継続できる経営基盤が求められる仕組みとなった。

なお、すでに経営・管理ビザを取得している外国人には経過措置があり、2028年10月16日以降の更新では原則として新基準への適合が求められる。それ以前の更新も無条件に認められるわけではなく、経営状況などを踏まえて審査される。

■ 新制度の影響は数字にも

改正前の2025年上半期には3,329人が経営・管理ビザで新規入国していた。

ところが、改正後の2026年上半期には635人まで減少した。

また、2026年6月末時点で経営・管理の在留資格を持つ外国人は4万2,747人となり、2025年末と比べて8.6%減少した。

政府は、制度を本来の目的に沿って運用するための見直しが、新規入国者の減少につながったと説明している。

ただし、新規入国者が8割減少したからといって、従来の申請者の8割が不正だったという意味ではない。

審査条件が厳しくなったことで、合法的に事業を始めようとしていた外国人も申請を見送った可能性がある。

■ 真面目に経営してきた外国人にも影響

今回の改正には、別の課題も指摘されている。

2026年4月、東京商工リサーチは外国人経営者を対象としたアンケート結果を公表した。

回答した299社のうち、45.2%が制度改正によって何らかの影響を受けると回答。5.3%は廃業を検討すると答えている。

特に、家族経営の飲食店や小規模な事業者にとって、資本金3,000万円と常勤職員の確保は大きな負担となる。

長年日本で営業し、納税してきた事業者でも、新基準を満たせなければ在留資格の更新が難しくなる可能性がある。

制度の悪用を防ぐ一方で、事業実績のある小規模経営者まで一律に扱ってよいのかという問題が浮上している。

■ 経営ビザは減少、在留外国人全体は過去最多

一方、日本で暮らす外国人の数は増加を続けている。

出入国在留管理庁によると、2026年6月末時点の在留外国人数は428万1,026人となり、過去最多を更新した。

2025年末からは15万5,631人増加し、増加率は3.8%となっている。

国籍・地域別では、中国が94万1,031人で最多。続いてベトナム69万3,750人、韓国40万8,682人となった。

特に増加が目立つのは、インドネシア、ネパール、ミャンマーなどの国々だ。

2025年末から2026年6月末までの増加数は、インドネシアが4万1,387人、ネパールが3万3,858人、ミャンマーが2万9,035人となっている。

また、人手不足に対応する「特定技能」の在留資格を持つ外国人は44万4,256人となり、半年間で5万3,960人増加した。

つまり、経営者向けの在留資格では厳格化の影響が見られる一方、外国人労働者などの受け入れは引き続き拡大している。

■ SNSでは賛成と反対の声

今回の制度改正をめぐり、XなどのSNSでは賛否両論が見られる。

【厳格化を支持する意見】

「実態のない会社を利用したビザ取得は防ぐべきだ」

「日本で事業を経営するなら、一定の資金力と雇用の責任は必要」

「制度の抜け穴を塞ぐ正常化として評価できる」

「外国人の受け入れ人数だけでなく、事業実態を厳しく確認してほしい」

こうした意見では、ペーパーカンパニー対策や制度の公平性を重視する姿勢が見られる。

【厳格化を懸念する意見】

「真面目に営業している小さな飲食店まで影響を受ける」

「3,000万円という金額は、日本人の起業家にとっても簡単ではない」

「長年日本で生活している外国人経営者への配慮が必要」

「事業の実態を調べるべきで、資本金だけで判断するのは適切ではない」

SNSでは、地域に根付いたエスニック料理店の営業継続を心配する動きも見られる。

一方で、外国人の受け入れ総数は増加していることから、経営・管理ビザだけではなく、他の在留資格についても審査や管理の適正化を求める意見がある。

※SNSの反応は確認できた投稿や関連する議論の論点を要約したものであり、引用文ではない。また、世論全体の割合を示すものではない。

■ 今後の焦点は「制度の適正化」と「事業の継続」

2025年10月の制度改正から1年。

経営・管理ビザの新規入国者数は大幅に減り、再入国手続きをしない出国者も増加した。

これらの数字は、厳格化が外国人経営者の動向に大きな影響を与えている可能性を示している。

しかし、人数が減ったという事実だけで、制度改革の成否を判断することはできない。

不正な利用をどれだけ防げたのか。そして、日本で事業を営み、雇用や納税を通じて地域経済に貢献してきた外国人経営者への影響をどう抑えるのか。

既存の在留資格保有者に対する経過措置が終了する2028年10月に向けて、制度の運用が注目される。

外国人を何人受け入れるかという議論だけでなく、どのような基準で受け入れ、どのように適切な在留管理を行っていくのか。

日本の外国人政策は、その両立を問われている。


【参照資料・報道】

1.出入国在留管理庁「令和8年上半期における外国人入国者数及び日本人出国者数等について」
https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00069.html

2.出入国在留管理庁「経営・管理に係る上陸基準省令等の改正について」
https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html

3.出入国在留管理庁「令和8年6月末における在留外国人数について」
https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00070.html

4.共同通信「外国人『経営者』出国3.9倍に」(2026年10月15日)
https://news.livedoor.com/article/detail/32573866/

5.毎日新聞「在留資格『経営・管理』新規入国が8割減」(2026年10月16日)
https://news.tnc.ne.jp/social/942325_1.html

6.東京商工リサーチ「経営・管理の在留資格の厳格化に関するアンケート」(2026年4月23日)
https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1202771_1527.html

7.Yahoo!リアルタイム検索「経営・管理ビザ」に関するXの投稿
https://search.yahoo.co.jp/realtime/search?p=経営・管理ビザ

編集部[26/10/29]

Xより

引用元:https://x.com/i/trending/2115787001828085962?s=20

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