
外務省によると…
アフガニスタンに対する無償資金協力「脆弱層のための麻薬対策能力強化計画(UN連携/UNODC実施)」に関する書簡の署名・交換
9月3日(現地時間同日)、アフガニスタンの首都カブールにおいて、正本謙一在アフガニスタン・イスラム共和国日本国大使館大使と、ポレアック・オク・セレイ国際連合薬物犯罪事務所(UNODC)アフガニスタン事務所代表との間で、供与額14.88億円の無償資金協力「脆弱層のための麻薬対策能力強化計画(UN連携/UNODC実施)」に関する書簡の署名・交換が行われました。
- アフガニスタンでは、麻薬の原料となるケシが歴史的に広く栽培され、不安定な経済状況や麻薬使用者に対する治療サービス不足等の影響もあり、ケシ栽培及び麻薬の使用が深刻化しています。こうした状況の下、麻薬使用の削減による需要抑制と、ケシ栽培量の縮小による供給抑制の両面から取り組む支援が求められています。
- この協力は、アフガニスタン5県(タハール県、バドギス県、バダフシャーン県、カンダハール県及びヘルマンド県)において、麻薬の原料となるケシの代替作物栽培促進及び麻薬使用に関する予防・治療等を支援します。麻薬生産の削減及び麻薬使用に伴う健康被害の低減を図ることで、同国の人々の健康的な生活の確保及び持続的・自立的発展のための支援に寄与することが期待されます。
- なお、この協力は、アフガニスタンへの人道支援を目的として実施するものです。また、国境を越えた組織犯罪の課題への取組を強化し、日本を含む国際社会の安全・安定に寄与します。
[全文は引用元へ…]令和8年9月4日
Xより
引用元:https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_04127.html?utm_source=chatgpt.com
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編集部の見解
アフガニスタンの麻薬対策に14.88億円の無償資金協力
日本政府は、アフガニスタンにおける麻薬対策を支援するため、国際連合薬物犯罪事務所(UNODC)が実施する「脆弱層のための麻薬対策能力強化計画」に14億8,800万円の無償資金協力を行います。外務省によると、9月3日に首都カブールで、この協力に関する書簡の署名・交換が行われました。
アフガニスタンでは、麻薬の原料となるケシが歴史的に広く栽培されてきました。不安定な経済状況や、麻薬使用者に対する治療サービスの不足なども課題となっており、外務省は麻薬使用を減らす需要面と、ケシ栽培を減らす供給面の双方から取り組む必要があると説明しています。
今回の事業では、タハール県、バドギス県、バダフシャーン県、カンダハール県、ヘルマンド県の5県を対象として、ケシに代わる作物の栽培促進や、麻薬使用に関する予防・治療などを支援します。単に資金を提供するという説明ではなく、どの地域で何を行うのかが示されている点は確認しておく必要があります。
また、今回の14.88億円はアフガニスタンの当局に直接渡すものとして発表されているわけではありません。UNODCが実施する事業に対する無償資金協力です。外務省は人道支援として実施するものであり、麻薬生産の削減や麻薬使用による健康被害の低減に加え、国境を越えた組織犯罪への対応を強化することで、日本を含む国際社会の安全と安定にも寄与するとしています。
こうした説明を読むと、国際協力として一定の目的があることは分かります。一方、14.88億円という公的資金を使う以上、なぜ日本が負担する必要があるのか、日本にどのような効果が期待できるのかについて、国内への説明も同じように重要でしょう。
公表されていても国民に伝わっているとは限らない
私が海外支援の記事を確認する中で気になるのは、日本政府が日々実施している国際協力を、どれほどの国民が把握しているのかという点です。今回のアフガニスタンへの支援も外務省が正式に公表しており、情報が秘密にされているわけではありません。
ただし、普段から外務省の発表を確認していなければ、14.88億円の無償資金協力が決まったこと自体を知らない人もいるでしょう。政府機関のウェブサイトで公開されていることと、国民に広く伝わっていることは同じではありません。
もちろん、地上波のニュースには時間的な制約があります。国内政治や経済、事件、災害、国際情勢など、その日に扱うニュースは多数あります。すべての無償資金協力を一件ずつ報道することは現実的ではなく、何を取り上げるかも各報道機関の編集判断です。そのため、テレビで報じられないことを理由に「政府が隠している」と断定することはできません。
それでも、日本が海外でどれほど貢献しているか、外交によってどのような成果を上げているかを政府が国民に訴えるのであれば、そのために使われている公的資金についても、もっと分かりやすく伝えてよいのではないでしょうか。
今回なら、なぜアフガニスタンの麻薬問題が日本の安全にも関係するのか、14.88億円によってどれほどの人が支援を受けるのか、ケシの栽培がどの程度減少したのかなど、今後確認できる成果を継続して知らせることが重要です。
情報に触れる機会が少なければ、「日本人は税金を負担しているのに、知らないところで海外支援が次々と行われている」と感じる人が出てくることも考えられます。必要な支援であるなら、政府広報や地上波を含め、国民が知る機会を増やすことは決して悪いことではないでしょう。
必要な海外支援なら政治家も正面から説明を
もう一つ気になるのは、このような個別の海外支援について、政治家が国民に説明する場面があまり目立たないことです。外交や安全保障上の必要性を踏まえて実施するのであれば、その判断について政治家自身が説明することにも意味があります。
日本国内にも、社会保障、医療、教育、子育て、防災、インフラなど、公的資金を必要とする課題があります。その中でアフガニスタンの麻薬対策に14.88億円と聞けば、「なぜ日本が負担するのか」と疑問を持つ人がいるのは自然でしょう。
その疑問に対して必要なのは、海外支援への疑問を持つ人を否定することでも、反対に海外支援をすべて無駄と決めつけることでもありません。税金の使い道としてどのような意味があるのかを、具体的な数字と成果で説明することです。
特に今回については、外務省が日本を含む国際社会の安全と安定への寄与を挙げています。それなら、麻薬問題への対応が日本の安全保障や国際的な犯罪対策とどのようにつながるのかを、国民にも分かりやすく示してほしいところです。
支援を決定した段階で発表して終わるのではなく、その後にケシの代替作物への転換がどこまで進んだのか、予防や治療がどれほど実施されたのか、14.88億円に見合う成果が得られたのかまで検証する必要があります。
国際協力を続けるのであれば、支援の必要性、金額、実施主体、成果を国民が確認できるようにする。政治家も必要性を説明し、報道を通じて知る機会も増える。その積み重ねがあれば、国民は納得できる税金の使われ方なのかを自分で判断できます。
必要な海外支援なら、堂々と国民に知らせればよいのです。外交上の成果があるなら、その成果も支出した金額とともに伝える。公的資金を使う以上、支援することと説明責任を果たすことは、常にセットで考える必要があるでしょう。
執筆:編集部





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