【話題】山奥に放したクマが3日後に再出没 神奈川県秦野市が弘法山公園を再封鎖、捕殺も選択肢に[26/10]

概要

神奈川県秦野市で、一度捕獲して山奥に放したツキノワグマが、わずか3日後に再び確認され、市が警戒を強めている。

問題のクマは体長1.36メートル、体重101.3キロのオス。10月20日に捕獲され、個体識別用のタグを取り付けて丹沢山地の奥地に放されたが、23日に善波峠付近で再び出没した。

24日の痕跡調査で同一個体と確認され、市は弘法山公園を構成する弘法山、権現山、浅間山へのアクセス路を再び封鎖した。

一度は捕獲に成功、しかし再び出没

秦野市では10月11日から弘法山公園周辺でクマの目撃情報が相次いでいた。

13日にはクマのふんが発見され、センサーカメラにも姿が記録された。市は14日から権現山と浅間山を一時閉鎖し、周辺のパトロールや小学生の登下校時の見守りを強化した。

その後、19日夜に設置した箱わなにクマが入り、20日に捕獲を確認。麻酔処置を行い、耳に識別タグを取り付けたうえで山奥に放獣した。

市はほかの個体が確認されなかったことから、23日に公園の閉鎖を解除した。

しかし、同じ日に善波峠付近でクマが再び出没。翌24日には、放獣した個体と同一であることが確認された。

この事態を受け、市は公園へのアクセス路を再封鎖。監視や警戒を続け、周辺住民や登山者に注意を呼びかけている。

なぜ捕殺せずに山へ放したのか

神奈川県がクマの保護を重視していることには、県内の生息数の少なさが関係している。

県によると、丹沢山地に生息するツキノワグマは約80頭と推定され、県のレッドデータブックでは絶滅危惧種に指定されている。

このため、県は狩猟者に対してツキノワグマの狩猟自粛を求めている。

秦野市の担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、クマへの対応は市だけで決められるものではなく、県の方針を踏まえて判断すると説明した。

ただし、保護対象だからといって、必ず放獣しなければならないわけではない。

担当者は、同じ個体が再び人里に現れ、その場所への執着が強く、人との接触の危険性が高まった場合には、捕殺も選択肢になるとの考えを示している。

今回の再出没を受けて、今後どのような対応が取られるかが注目されている。

クマは狩猟できる? 害獣駆除との違い

日本では、野生鳥獣の捕獲や殺傷は「鳥獣保護管理法」によって規制されている。

クマやイノシシ、シカなどは法律上の狩猟鳥獣に指定されているが、誰でも自由に捕獲できるわけではない。

通常の狩猟には、猟法に応じた狩猟免許と都道府県への狩猟者登録が必要で、猟期や区域、使用できる猟具にも制限がある。銃を使用する場合は、別途、銃刀法に基づく所持許可なども必要となる。

神奈川県の2026年度の通常の狩猟期間は、原則として11月15日から翌年2月15日まで。ただし、一部の鳥獣や猟区では期間が異なる。

また、神奈川県がツキノワグマについて求めているのは「狩猟の自粛」であり、県内すべてで法律上の狩猟禁止措置が取られているという意味ではない。

一方、農作物への被害や人の安全を守るために行われる「有害鳥獣捕獲」は、通常の狩猟とは異なる制度だ。

原則として都道府県知事などの許可が必要で、必要性や捕獲方法、期間、区域などを審査したうえで実施される。自治体に捕獲許可の権限が移されている場合もある。

有害鳥獣捕獲では、捕獲後に放獣する場合もあれば、必要に応じて殺処分する場合もある。

つまり、狩猟期間外であっても、適切な許可や法的要件を満たせば捕獲できる仕組みになっている。

2025年からは市街地での「緊急銃猟」も可能に

2025年9月には、改正鳥獣保護管理法に基づく「緊急銃猟制度」が施行された。

これは、クマやイノシシが住宅地など人の日常生活圏に侵入し、人命への危険が迫っている場合、一定の条件を満たせば市町村長の判断で銃による捕獲を実施できる制度だ。

ただし、クマが現れたという理由だけで、直ちに発砲できるわけではない。

人への危害を防ぐ緊急性があり、追い払いやわななどでは迅速な対応が難しく、さらに銃弾によって周囲の人に危険が及ばないことなどが条件となる。

秦野市でも2026年4月、神奈川県警や猟友会などが参加し、市街地へのクマ出没を想定した緊急銃猟訓練が実施されている。

野生動物の保護と住民の安全を両立させるため、自治体には現場の状況に応じた判断が求められている。

SNSでは放獣を称賛する声と安全を懸念する声

今回の秦野市の対応について、SNSではさまざまな意見が寄せられている。

当初は、クマを殺さず山へ放したことに対し、「正しい措置だと思います」「素晴らしい」といった肯定的な声が上がっていた。

J-CASTニュースによると、10月23日午前11時までに秦野市へ電話やメールで約50件の意見が寄せられ、放獣に賛成する意見が多かったという。

一方で、住民の安全を優先して捕殺すべきだという意見も寄せられていた。

その後、放獣した個体の再出没が判明すると、ネット上では対応の実効性を疑問視する反応が目立つようになった。

ネット掲示板などでは、再び放しても戻ってくるのではないか、人的被害が発生する前に対処すべきではないかといった意見が確認できる。

ただし、こうした反応が住民全体の意見を代表しているわけではない。

保護と安全確保の両立が課題に

神奈川県では、生息数の少ないツキノワグマの保護を重視してきた。

しかし、今回のように山奥へ放した個体が再び人の生活圏に近づいた場合、従来の対応だけで危険を回避できるとは限らない。

クマには高い移動能力があり、食べ物を求めて同じ場所に繰り返し現れる場合もある。

秦野市は、クマが活発に行動する早朝や夕方の外出に注意することや、遭遇しても走って逃げず、刺激しないよう静かに距離を取ることを呼びかけている。

今回のクマについて、24日時点で再捕獲や捕殺が決定したとの情報は確認されていない。

絶滅危惧種としての保護と、住民や登山者の安全確保。今回の再出没は、その両立に向けた自治体の判断の難しさを浮き彫りにしている。

編集部[26/10/24]

Xより

引用元:https://x.com/i/trending/2113891938755616845?s=20

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