【日本政府】ASEAN各国の高校生約80人を日本に招待 ラグビーやSDGsで交流 関連事業に6.3億円の予算[外務省]26/10

概要

2026年10月27日から11月3日にかけて、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国から、ラグビーに関心のある高校生約80人が日本に招かれた。

外務省が実施する「JENESYS 日本・ASEANスポーツ(ラグビー)×SDGs交流」というプログラムで、参加者は東京都、神奈川県、栃木県を訪問。日本の高校生との交流やタグラグビーの体験、SDGsに関する講義などに参加した。

この事業は、日本への理解や関心を深めてもらい、将来的な友好関係につなげることを目的とした、政府の対日理解促進交流プログラムの一つだ。

また、関連する外務省の「親日派・知日派育成のための交流拡充拠出金」については、2026年度の概算要求で16.8億円が計上されていたが、実際に成立した当初予算は6.3億円だった。

ASEAN各国から高校生約80人を日本に招聘

外務省は2026年10月22日、ASEAN各国から高校生約80人を日本に招く交流プログラムの実施を発表した。

訪日期間は10月27日から11月3日までの8日間で、東京都、神奈川県、栃木県を訪れる日程が組まれた。

今回の交流には、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会が協力。同協会が取り組む持続可能な開発目標(SDGs)に関する講義や、タグラグビーの体験などが行われた。

タグラグビーは、通常のラグビーのような激しい身体接触を伴わず、腰につけたタグを取ることでタックルの代わりとするスポーツだ。

年齢や性別、ラグビーの経験などにかかわらず参加しやすいことから、今回の交流プログラムに取り入れられた。

また、参加者は日本の高校生と交流し、スポーツを通じて互いの文化や考え方に触れる機会を持った。

外務省は、今回の訪問を通じて、ASEAN地域の若者が日本とASEANの関係について理解を深めるとともに、日本の訪問先やタグラグビーの魅力などをSNSで積極的に発信することを期待している。

11月2日には、訪日団の高校生約80人が外務省を訪問し、藤井一博外務大臣政務官を表敬した。

藤井政務官は、日本とASEANが長年にわたって築いてきた協力関係に触れ、参加者が将来、日本と各国をつなぐ架け橋として活躍することへの期待を示した。

参加者を代表して、ASEAN議長国であるフィリピンの高校生からも、今回の交流への感謝や今後の抱負が述べられた。

親日派・知日派育成の関連予算は6.3億円

今回の交流事業に関連して注目されるのが、外務省の「親日派・知日派育成のための交流拡充拠出金」だ。

外務省が2025年8月に公表した2026年度概算要求の概要では、この項目に16.8億円が計上されていた。

前年度の当初予算5.3億円と比較すると、要求段階では11.5億円の増額となる。

しかし、概算要求は各省庁が必要と考える予算を政府に求める段階の金額であり、そのまま成立するとは限らない。

その後に公表された2026年度の外務省予算概要では、同じ項目の成立当初予算は6.3億円となっている。

2025年度の当初予算5.3億円からは1億円増額されたことになる。

一方、2025年度には別途5.2億円の補正予算も計上されていたため、前年度の当初予算と補正予算を合わせると10.5億円となる。

2026年度の当初予算6.3億円は、この10.5億円と比較すると4.2億円少ない。ただし、当初予算と補正予算は性質が異なり、年度全体の事業費を単純に比較できるわけではない。

また、6.3億円という金額は、今回の高校生約80人のラグビー交流だけに使われたものではない。

「親日派・知日派育成のための交流拡充拠出金」は、海外の若者などとの人的交流を通じ、日本への理解や関心を高めてもらう、より広い交流事業に関わる予算だ。

今回の高校生約80人の招聘に実際いくらかかったのかについては、外務省の報道発表に具体的な金額は記載されていない。

航空運賃や宿泊費、国内移動費、交流行事の運営費など、個別の費用がどの程度だったのかは、今回確認した資料だけでは分からない。

そのため、「高校生80人の招聘に6.3億円を投入した」という説明は正確ではなく、関連する交流事業全体の予算として区別する必要がある。

海外の若者を招く交流事業、国民への説明も必要では

JENESYSは、日本政府が進める対日理解促進交流プログラムの一つで、アジア大洋州地域などの若者を日本に招き、日本の社会や文化、技術、政策などについて理解を深めてもらうことを目的としている。

参加者が帰国後に日本での経験を周囲に伝えたり、SNSなどで情報発信したりすることも期待されている。

こうした取り組みには、将来的な友好関係の構築や、日本に対する信頼、親近感を高めるという外交上の狙いがある。

一方で、国の予算を使って海外の高校生を招聘する以上、その費用や成果について、国民が確認できる形で説明することも重要だ。

今回の交流では約80人が日本を訪問したが、1人当たりの費用や事業全体の具体的な支出額は、外務省の報道発表からは確認できない。

また、交流を通じて参加者の日本に対する理解がどの程度深まり、帰国後にどのような情報発信が行われたのかといった成果も、事業の効果を考える上で重要になる。

日本国内でも、教育費や生活費の負担に悩む家庭は少なくない。経済的な事情から修学旅行や部活動、スポーツ活動への参加を諦める子どもたちへの支援も考える必要がある。

海外の若者を日本に招き、国際的な友好関係を築くことには外交上の意義がある一方で、国内の子どもたちが十分な教育や体験の機会を得られているのかという視点も欠かせない。

外国の高校生を招く事業に予算を使うのであれば、どのような目的で、いくら使い、どのような成果が得られたのかを明らかにすることが大切だ。

今回のラグビー交流は、スポーツを通じて日本とASEANの若者が交流する機会となった。

今後は、こうした国際交流の成果を検証するとともに、日本国内の子どもたちへの支援とのバランスについても、国民に分かりやすく説明していくことが求められる。

出典・参考資料

【1】外務省(2026年10月22日)
「JENESYS 日本・ASEANスポーツ(ラグビー)×SDGs交流」の実施

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_04336.html

【2】外務省(2026年11月2日)
「JENESYS 日本・ASEANスポーツ(ラグビー)×SDGs交流」訪日団一行による藤井外務大臣政務官表敬

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_04405.html

【3】外務省(2025年8月)
「令和8年度概算要求の概要」
※「親日派・知日派育成のための交流拡充拠出金」16.8億円を記載

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100896320.pdf

【4】外務省(2026年度)
「令和8年度予算の概要」
※成立当初予算6.3億円、前年度当初予算5.3億円、前年度補正予算5.2億円を記載

https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100957175.pdf

【5】外務省
「外務省予算・決算」

https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/yosan_kessan/mofa_yosan_kessan/index.html

Xより

引用元:https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_04405.html

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