【話題】外国人への生活保護は認められるのか? 最高裁で敗訴確定も自治体では支援継続 税金負担と人道支援をめぐり議論[26/10]

概要

日本に暮らす外国人への生活保護をめぐり、制度の公平性や税金の使い道について議論が続いている。

日本の生活保護法は、日本国民を対象とした制度だ。しかし、実際には永住者や日本人の配偶者、特別永住者など、一定の在留資格を持つ外国人に対しても、人道的な観点から生活保護に準じた支援が行われている。

一方、2026年9月には、病気で働けなくなったガーナ国籍の男性が生活保護を求めた裁判で、最高裁が男性側の上告を退け、生活保護の申請却下を適法とした下級審の判断が確定した。

外国人への公的支援は、どこまで認められるべきなのか。税負担の公平性と、人道的な救済のあり方が改めて問われている。

【外国人への生活保護は、なぜ行われているのか】

現在の制度の原点となっているのは、1954年5月8日に当時の厚生省が出した通知だ。

この通知によって、生活に困窮する一定の外国人に対し、生活保護法に準じた保護を行う仕組みが設けられた。

主な対象となるのは、永住者、定住者、日本人の配偶者等、特別永住者、認定難民などである。

ただし、外国人であれば誰でも受けられるわけではない。

日本人と同様に、収入や資産、就労能力などが調査され、他の制度を利用しても最低限度の生活を維持できない場合に保護が検討される。

重要なのは、外国人に生活保護法上の受給権が認められているわけではなく、国の通知に基づく行政措置として支援が行われているという点だ。

【最高裁は過去にも外国人の生活保護を判断】

今回の裁判以前にも、外国人の生活保護をめぐる重要な司法判断があった。

2014年7月18日、最高裁は大分市に住む中国籍の永住者が生活保護を求めた訴訟で、外国人は生活保護法に基づく受給権を持たないと判断した。

ただし、この判決は自治体による外国人への人道的支援そのものを違法としたわけではない。

2026年9月のガーナ国籍男性の訴訟でも、最高裁の多数意見は憲法判断に踏み込まず、上告理由が法律上の要件に当たらないとして退けた。

一方、三浦守裁判官は反対意見で、療養目的で滞在する外国人などを保護対象から除外することは、生存権や平等原則に反すると指摘した。

つまり、今回の決定によって外国人への生活保護が全面的に禁止されたわけではなく、従来の行政措置は引き続き運用されている。

【外国人の生活保護は全国でどのくらい?】

厚生労働省の公表資料によると、世帯主が外国籍である生活保護世帯に属する人数は、2015年度の月平均7万2995人から、2024年度には6万4993人に減少している。

2024年度の生活保護受給者全体に占める割合は約3.24%だった。

ただし、この統計には外国籍の世帯主と同じ世帯で生活する日本人の家族が含まれる可能性があるため、外国人だけの受給人数を示したものではない。

在留外国人数が増加している一方で、外国籍世帯主の生活保護対象人数は全国的には減少傾向にある。

そのため、「外国人が増えたことで生活保護受給者が全国で急増している」と単純に結論づけることはできない。

【愛知県碧南市では外国人世帯の生活保護が増加】

一方、地域によっては異なる動きも見られる。

愛知県碧南市の長﨑あきひろ市議は、2025年9月3日の市議会一般質問で、外国人世帯の生活保護が過去5年間で約2倍に増加したとの答弁があったと紹介している。

長﨑市議は2026年3月に公開した動画でも、外国籍住民の増加に伴う自治体の財政負担や、制度の公平性について問題提起した。

ただし、確認できた市の公式ホームページには、その増加を裏付ける年度別の世帯数が掲載されておらず、具体的な増加人数については追加の検証が必要だ。

碧南市も国の通知に従い、永住者や定住者などに生活保護に準じた支援を行っている。

全国的な人数は減少していても、自治体ごとに受給状況が異なることが、今後の制度運用を考えるうえで重要となる。

【なぜ在日韓国・朝鮮人の高齢者が多いと指摘されるのか】

外国人への生活保護を擁護する意見では、在日韓国・朝鮮人の高齢者が置かれてきた歴史的事情も指摘されている。

日本の国民年金制度には、かつて国籍による加入制限があり、外国籍住民が国民年金に加入できるようになったのは1982年からだった。

その後、制度改正によって救済措置も設けられたが、当時すでに高齢だった人や、必要な加入期間を確保できなかった人の中には、無年金となったケースがある。

2024年には、こうした無年金状態にある在日外国人への救済を求める市民団体が、厚生労働省に要望書を提出している。

長年日本に暮らし、働いてきた外国籍住民について、過去の社会保障制度の問題をどう補うべきかという議論は現在も続いている。

ただし、在日韓国・朝鮮人がすべて無年金というわけではなく、年金受給の可否は個人の加入歴などによって異なる。

【SNSでは賛否が分かれる】

外国人への生活保護については、Xなどで制度の廃止や見直しを求める声と、人道的支援を支持する声が対立している。

支給に批判的な意見としては、

「日本人でも生活が苦しい人がいるのに、外国人への支援を税金で続ける必要があるのか」

「生活保護法の対象が日本国民なら、行政通知だけで外国人に支援する仕組みは見直すべきだ」

「永住資格を認める際に、生活を維持できる経済力について厳しく確認するべきだ」

といった主張がある。

一方、支給を擁護する立場からは、

「長年日本で生活して納税してきた外国人を、国籍だけで切り捨てるべきではない」

「高齢者や重い病気で働けない人には、最低限の生活を守る支援が必要だ」

「外国人が優遇されているという主張は、実際の受給条件や統計を確認して判断するべきだ」

といった意見も出ている。

また、制度の透明性を求める声として、

「受給状況を国籍や在留資格別に明らかにするべきだ」

「国籍だけで一律に判断するのではなく、居住歴や困窮状況を踏まえて制度を整備する必要がある」

との指摘もある。

※上記はSNS上で見られる主な論点を整理したもので、特定の投稿からの直接引用ではない。

なお、SNSでは「外国人への生活保護は最高裁で違法と確定した」という情報も拡散したが、これは正確ではない。

2014年の最高裁判決も、行政措置として外国人を保護する仕組みまで否定していない。

【他の自治体でも同様の問題が発生】

大阪市では2026年2月、市民から「来日して間もない外国人が集団で生活保護を申請している」として、制度の制限を求める意見が寄せられた。

これに対して大阪市は、外国人への保護が国の通知に基づく措置であると説明した。

また、生活保護の受給を目的とした入国が明らかな場合は、緊急性の高いケースなどを除いて申請を却下できるとの国の取扱いも示している。

東京都国分寺市も2026年3月に更新した公式ページで、定住性のある外国人については生活保護が準用されると説明している。

このように、外国人への生活保護は特定の自治体だけが独自に行っているものではなく、国の通知に基づく全国的な行政措置となっている。

【政府も制度の実態把握を強化へ】

政府は2026年1月にまとめた外国人政策の総合的対応策で、外国人への生活保護の実態把握と制度運用の適正化を課題として取り上げた。

厚生労働省の2026年8月の検討資料によると、2027年6月から福祉事務所でマイナンバーを利用した情報連携を行い、国籍や在留資格などの情報を取得できるようにする方向で調整が進められている。

現在の統計では把握しきれていない在留資格別の受給状況を確認し、制度運用の透明性を高めることが狙いだ。

外国人への生活保護をめぐる問題は、単純な賛成・反対だけでなく、どのような在留資格や居住歴を持つ人に、どの範囲まで公的支援を認めるべきなのかという制度設計の課題でもある。

税金を負担する国民の納得を得ながら、日本社会で生活基盤を築いてきた外国人の困窮にどう対応するのか。

今後は政府による実態把握とともに、支援対象や審査基準の明確化が注目される。

【参照・関連ソース】

  1. 仙台市「生活保護」(2026年8月26日更新)
    https://www.city.sendai.jp/hogoshien/kurashi/tetsuzuki/sekatsu/sekatsu/sekatsuhogo.html
  2. 厚生労働省「生活保護における外国人の取扱いについて」
    https://www.mhlw.go.jp/content/001684937.pdf
  3. 共同通信「ガーナ人男性の敗訴確定 生活保護却下、反対意見も」(2026年9月)
    https://news.livedoor.com/article/detail/32301364/
  4. 碧南市「低所得者の福祉」
    https://www.city.hekinan.lg.jp/health_welfare/consultation/16527.html
  5. 碧南市議・長﨑あきひろ氏「外国人生活保護 年間約1,200億円規模」
    https://www.youtube.com/watch?v=bnvgvyw_noE
  6. 大阪市「外国人の生活保護申請について」
    https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000676872.html
  7. 国分寺市「外国籍の人でも生活保護を利用(受給)できますか」
    https://www.city.kokubunji.tokyo.jp/faq/kurashi/1005238/1005295/1025767/1027704.html
  8. 日本ファクトチェックセンター「最高裁が外国人への生活保護は違法と確定?」
    https://www.factcheckcenter.jp/fact-check/politics/false-foreigners-welfare-illegal/
  9. 週刊金曜日「在日外国人の無年金状態解消求め市民団体が要望書」
    https://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2024/09/05/antena-1511/
  10. 厚生労働省「第3回生活保護システム等標準化検討会」資料
    https://www.mhlw.go.jp/content/12002000/001756827.pdf

編集部[26/10/27]

Xより

引用元:https://x.com/i/trending/2114686580996898921?s=20

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